Example Pool
皆が大好きな「例のプール」を1/35で制作しました。2014年12月に開催された第3回TENGUモデラーズの展示会「船モケイ」の為に制作したものです。懐の深いモデルグラフィックス誌、2015年3月号にも掲載していただきました。“模型を使用する”という展示会のルールを遵守する為にドラゴン製「ドイツ軍突撃工兵&突撃船艇」のボートを改造。ボートとフィギュア以外はフルスクラッチです。 まずプールの資料を集めAdobeIllustratorで図面をひき、それに合わせてプールをプラ板で制作。“水”はクレオスの情景模型用高透明シリコーンゴムを使用、水面の波はDDFのグレインペイントのグロスメディウムで描きました。透明シリコーンがみっちり充填されることで光の反射や屈折が驚く程リアルになります。欠点としてはシリコーンである為に剥がれやすく、特に今回のようにプール内を側面から覗けるようにするとシリコーンが剥がれると壁の内面が反射してしまいリアリティが一気に無くなります。シリコーンの剥がれ防止に意図的にプール内に突起物を多めに作りました。ボートを適度に沈める為にシリコーンは2回に分けて充填しました。プールから上がる際の手すりや排水口など金属部分はアルミ等で制作して質感を生かし、水のリアリティに負けないようにしています。特徴的な窓は1.7mm透明プラ板。これは展示での見栄えを考慮し壁を2面開放したので、残った壁2面で天井を支える強度が必要な為です。ただ“例のアングル”も撮影できるよう右側の壁も制作し取り外し可能としました。天井や壁に据え付けられたスピーカーや照明器具はちゃんと作ってあげると全体にらしく見えてきます。階段は大理石っぽいので真綿をマスキングに用いる「蛇紋塗装」を試してみました。観葉植物はバーニアを植木鉢に見立てNゲージ用樹木を組み合わせて制作。白いデッキチェアはプラ材とアルミ線の組み合わせ。フィギュアはモデルカステン製プラスチック・ビューティーズさやか嬢とまい嬢を使用。エナメル塗料を薄めて粉末フラットベースを混ぜ塗装してあげます。最後に天井にLEDをギヤードモーターと組み合わせゆっくり光を回転させ、水面の陰がプールの底に写り込みゆらゆらと揺れるようにしてみました。爽やかで清潔感溢れる、スク水にピッタリの作品となりました。なお最後の写真はリアライズ様が例のプールで実施した販促イベントに古賀学様の紹介で連れて行っていただき実現した「例のプールin例のプール」という夢のような写真です。 使用キット・・・ドラゴン製 1/35ドイツ軍突撃工兵&突撃船艇